本研究では、様々な臓器に分化しうるヒト多能性幹細胞から、腎臓の機能単位であるネフロンの構成細胞を派生させるネフロン前駆細胞への分化誘導法をさらに高効率に改善し、腎不全モデル動物に細胞移植することで、新たな腎不全治療の開発を目指すことを目的としていた。 本期間中に、40%前後までネフロン前駆細胞のマーカーであるSIX2の陽性細胞を作製することに成功した。また、このネフロン前駆細胞は、主に近位尿細管に分化することを確認した。このネフロン前駆細胞を急性腎不全モデルマウスに移植することによって、腎障害が改善することも明らかとした。 本研究成果は、新たな腎不全治療の開発に寄与するものと考えられる。
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