DNA修復応答機構は、電離放射線、紫外線や酸化ストレスなど細胞内外からの刺激により生じたDNA損傷を修復し、ゲノムの恒常性を保つために重要であるが、近年は、老化や動脈硬化との関連も報告され、病態形成への影響が示唆されている。本研究では、マウス腎臓線維化モデルを用いて、線維化病変部ではDNA二重鎖切断の指標であるリン酸化H2AXが増加することを明らかにした。さらにヒストンH2AX欠損マウスでは、腎間質線維化病変が減少することを見出し、DNA損傷修復機構で活性化されるヒストンH2AXが、線維化形成に促進的に作用している可能性が示された。
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