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2013 年度 実施状況報告書

転写因子KLF4によるポドサイトのエピジェネティック調節機構の検討と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 25860687
研究種目

若手研究(B)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

林 香  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60445294)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードポドサイト / KLF4 / エピジェネティックス
研究概要

本年度においては、研究実施計画に基づき、腎糸球体ポドサイトにおけるKLF4の生理的役割を検討するため、まずポドサイト特異的KLF4ノックアウトマウスの作成を行った。ポドサイト特異的なプロモーターを有するPodocin-Creマウス(Jackson laboratories)にKLF4(flox/flox)マウス(Pennsylvania大学、Katz博士より供与)を交配し、ポドサイト特異的にKLF4をノックアウトしたマウスを作成し、更に病的状態におけるKLF4の役割を検討するために、アドリアマイシン(ADM)腎症モデルを作成して解析を行った。その結果、ポドサイト特異的KLF4ノックアウトマウスにおいては、ベースラインの蛋白尿は有意な増加を認めなかったが、ADM腎症における尿蛋白の有意な増悪を認めた。この機序としてKLF15がKLF4と相補的にポドサイト形質維持に関与している可能性が見出された。
また、in vitroにおけるKLF4ノックダウンの影響を検討するために、ヒト培養ポドサイト(Bristol 大学Saleem 博士供与)を用いて、KLF4 siRNAによりノックダウンを行った場合の、ポドサイトの形態の変化、ポドサイトの上皮マーカー(ネフリン)・間葉系マーカー(ビメンチン)の発現の変動、アルブミン透過性を検討した。KLF4ノックダウン単独の場合、KLF15上昇を認め、形態やマーカー分子の発現、アルブミン透過性に有意差を認めなかったが、ADM添加下ではKLF15も低下を認め、アルブミン透過性は有意に抑制された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

ポドサイト特異的KLF4ノックアウトマウスを予定通り作成することができ、ADM腎症作成・解析も施行できた。また、ベースラインではノックアウト(KO)で差がなく、ADM腎症では有意に尿蛋白が増悪した理由として、KLF15の興味深い変動を明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

来年度はKLF4のポドサイトにおけるエピジェネティックな調節機構を更に詳細に検討する計画となっており、それに従って研究を進める予定である。KLF4を上昇させる可能性のある薬剤の候補があるため、その薬剤とKLF4の関連についても検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 山中因子KLF4による糸球体上皮細胞遺伝子のエピジェネティック調節2014

    • 著者名/発表者名
      林 香、篠村裕之、伊藤裕
    • 雑誌名

      Annual Review腎臓2014年

      巻: 2014年 ページ: 117-122

  • [学会発表] 山中因子KLF4は糸球体上皮細胞においてネフリン遺伝子プロモーターの選択的DNA脱メチル化を惹起し蛋白尿を抑制する

    • 著者名/発表者名
      林 香、篠村裕之、中村真理、畔上達彦、小口英世、伊藤裕
    • 学会等名
      第56回日本腎臓学会総会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2015-05-28  

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