研究成果の概要 |
2004年から2009年に順天堂大学腎臓内科で腎生検によってIgA腎症と診断された患者から遺伝子解析に同意が得られた患者111名を対象とした。TLR9遺伝子の塩基多型(TT, CT, CC) 同定、臨床データの収集を行い予後との関連を検討した。腎生検時点の血清クレアチニン、蛋白尿、病理組織所見などはTT群とCT・CC群の間で有意な差は認められなかったが、腎機能低下速度をアウトカムとした多変量解析においてTT群はCT,CCの群よりも腎機能低下速度が早い傾向がみられた。本研究結果から、塩基多型の違いが腎機能低下速度を規定し、予後予測因子である可能性が示唆された。
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