研究成果の概要 |
本研究課題において、アクチン結合タンパク質であるERM(ezrin, radixin, moesin)タンパク質が腎糸球体足細胞の機能制御において果たす役割について検討を行った。ERMタンパク質のうちezrinは足細胞に豊富に発現しており、これまでの様々な報告からezrinの欠損は足突起の形態異常を引き起こす事が想定されていたが、ezrin欠損マウスを用いたin vivoでの解析では明らかな糸球体の形態異常は見られなかった。一方で、ezrinを欠損する事で薬剤性の糸球体傷害に対する抵抗性が見られる事が判明しており、ezrinの発現や機能の抑制が糸球体傷害の軽減に繋がる可能性が考えられる。
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