研究課題
本研究期間中,両親がいとこ婚で,子供に多系統萎縮症の発症者が1名いるという小家系を新たに2家系収集し,既存の4家系と合わせて合計で6家系を解析対象とした.内訳は,家系1:親1例,発症者1例,同胞非発症者2例;家系2:発症者1例,同胞非発症者3例;家系3:発症者1例,同胞非発症者1例;家系4:発症者1例;家系5:発症者1例;家系6:発症者1例,同胞非発症者2例である.パラメトリック連鎖解析による検討では,単一の遺伝子座を仮定した場合,LODスコアがポジティブになる候補領域は得られなかった.また,遺伝的異質性を許容したHLODスコアの計算でも,候補領域の絞り込みが得られなかった.続いて,それぞれの家系の発端者についてエクソーム解析を行った.翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列に変化をもたらす変異(非同義置換変異,スプライシング変異)のみを対象とし,常染色体上にあるホモ接合性変異を検索したところ,延べ7,276個の変異が得られた.このうち,インハウスの日本人健常者600例を対照として,アレル頻度が0.1%未満のホモ接合性変異を抽出したところ,家系1で7個,家系2で5個,家系3で4個,家系4で3個,家系5で3個,家系6で3個の変異が候補として抽出された.残念ながら,各家系で抽出された変異のうち,2家系以上の複数家系で共通する変異,もしくは胸中する遺伝子は指摘できなかった.これらの結果から,両親が血族婚で同胞内発症者1例の家系において,常染色体劣性遺伝性の遺伝因子の存在を仮定した場合,遺伝的異質性が強い,もしくは遺伝因子の関与が強くない,などの可能性が想定された.
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Annals of Clinical and Translational Neurology
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