パーキンソン病は発症機構が完全には解明されていないため、根本的な治療法が確立されていない神経変性疾患の一つであるである。ヒトの孤発性のパーキンソン病の病態を反映する哺乳類モデルの作製を目的に本研究を行った。パーキンソン病発症の遺伝的要因としてα―シヌクレインに、環境要因として鉄による酸化ストレスに注目し、これらの発症要因を組み合わせることで孤発性パーキンソン病を反映する新しいモデルマウスの作製・機能解析を行った。作製したマウスでは運動機能に軽微な異常を認め、またα―シヌクレインの蓄積も部分的に観察されたため、パーキンソン病の病態解明に有用なモデルマウスとなる可能性が示唆された。
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