本研究では日常的に摂取される発酵食品のに含まれる酵母において、経口摂取により神経免疫疾患である多発性硬化症モデルを改善させる善玉菌について探索を行った。18種類の酵母の内、カンジダ・ケフィールにおいて、抑制性T細胞、樹状細胞の誘導作用を認め、炎症性サイトカインの減少と炎症性T細胞の減少を腸管において認め、全身の炎症反応の抑制と症状の改善を認めた。そのメカニズムとしてカンジタ・ケフィール投与群の腸内細菌叢の変化を介したものであることを明らかにした。以上より本研究は食習慣や腸内細菌叢の改善が多発性硬化症の新しい治療法となりうることを示す重要な研究である。
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