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2014 年度 実績報告書

Alpha-synuclein分解におけるミクログリア-LRRK2の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860720
研究機関北里大学

研究代表者

前川 達則  北里大学, 医療衛生学部, 助教 (30647673)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードミクログリア / パーキンソン病 / αシヌクレイン / LRRK2
研究実績の概要

平成26年度は25年度の結果を受け、LRRK2ノックアウトミクログリアにおけるalpha-synuclein(aSYN)分解亢進のメカニズムを明らかにすることを目的とした。前年度に確立した初代培養ミクログリアを用いて、野生型、LRRK2ノックアウトのミクログリアがどのような細胞機能変化を起こしているかを解析した。aSYNの取り込みに関与するエンドサイトーシス関連分子に着目し、解析を行った結果、ノックアウトミクログリアではRab5陽性エンドソームが増加していることが明らかになった。また、Rab5陽性エンドソームはaSYNと共染色され、共染色されたエンドソームの数もノックアウトミクログリアでは増加していた。加えて、細胞膜からの小胞形成を行うdynamin1とRab5の共局在率もノックアウトミクログリアで増加していることが明らかになった。すなわち、LRRK2は早期エンドサイトーシスを負に制御しており、LRRK2ノックアウトミクログリアではこれらのブレーキ機構が破綻し、aSYN分解が促進していたものと考えられる。
前年度に明らかになったLRRK2ノックアウトミクログリアにおける炎症性サイトカイン分泌低下のメカニズムを明らかにするため、関与が疑われたTLR4の拮抗阻害剤を用いた解析を行った。その結果、aSYN誘導性のノックアウトミクログリアにおけるサイトカイン分泌低下は、TLR4受容体を介していることが確認できた。
本研究成果によって、パーキンソン病関連分子LRRK2のミクログリアにおける新たな機能が明らかになった。同時にaSYNとミクログリアを軸とした新たなパーキンソン病病態メカニズムの可能性が示唆された。これらの研究成果は新規治療や新薬開発に新たな知見を与えることができると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] The mouse/human cross-species heterodimer of leucine-rich repeat kinase 2: Possible significance in the transgenic model mouse of Parkinson's disease.2015

    • 著者名/発表者名
      Miyajima T, Ohta E, Kawada H, Maekawa T, Obata F
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 588 ページ: 142-146

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2015.01.003.

    • 査読あり
  • [学会発表] 5-Fluorouracil起因性消化管粘膜傷害に対する成分栄養剤の効果2014

    • 著者名/発表者名
      川島麗、雲井利亮、菅原節子、前川達則、川上文貴、石原和彦、市川尊文
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館 (京都府京都市)
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] 腸管粘膜防御機構におけるLRRK2の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      嶋山ひとみ、川上文貴、前川達則、山下博徳、市川尊文
    • 学会等名
      第87回日本生化学会大会
    • 発表場所
      国立京都国際会館 (京都府京都市)
    • 年月日
      2014-10-15 – 2014-10-18
  • [学会発表] α-synuclein分解におけるミクログリア-LRRK2の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      前川達則、市川尊文、小幡文弥
    • 学会等名
      第57回日本神経化学会大会
    • 発表場所
      奈良県文化会館 (奈良県奈良市)
    • 年月日
      2014-09-29 – 2014-10-01
  • [学会発表] α-synuclein分解におけるミクログリア-LRRK2の機能解析2014

    • 著者名/発表者名
      前川達則、小幡文弥、市川尊文
    • 学会等名
      第26回日本神経免疫学会学術集会
    • 発表場所
      金沢歌劇座 (石川県金沢市)
    • 年月日
      2014-09-04 – 2014-09-06

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公開日: 2016-06-01  

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