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2014 年度 実施状況報告書

球脊髄性筋萎縮症患者由来iPS細胞の樹立とポリグルタミン病の病態研究

研究課題

研究課題/領域番号 25860722
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

二瓶 義廣  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60468501)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード神経変性疾患 / 球脊髄性筋萎縮症 / ポリグルタミン病 / トリプレットリピート病 / iPS細胞
研究実績の概要

既に1例の球脊髄性筋萎縮症患者(SBMA)からiPS細胞を樹立し、運動ニューロンへの分化誘導を行った。分化誘導された神経細胞が、SBMA特有の性質であるテストステロンによる凝集ARの増加を、対象と比べて有意に強く起こすことが確認された。この反応は線維芽細胞では非常に弱く、神経細胞で特に強く見られる現象であると考えられた。更にSBMAの治療薬の候補の一つである17-AAGがARの発現量を減少させることも確認された。これらの結果は、疾患特異的iPS細胞が病態研究の新たなツールとなり得るのと同時に、薬剤スクリーニングのツールにもなり得ることを示す結果である。
次のステップとして、分化誘導した運動ニューロンを用いた再生医療への応用を目指し、マウス脳への移植を検討している。iPS細胞より分化誘導して得られたneurosphereを分解して細胞数をカウントし、定量化している。今後マウス大脳皮質に10,000個/匹の細胞を移植し、運動ニューロンへの分化を組織化学的に確認する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者が集まっておらず、1例のみでの検討となっているため、プロテオミクス解析やマイクロアレイ解析なども未施行の状態である。

今後の研究の推進方策

皮膚線維芽細胞を提供していただけるSBMA患者の募集を積極的に行い、2-4症例のSBMA-iPS細胞の樹立を目指す。樹立したiPS細胞について、凝集ARの異常をウェスタンブロットやフィルタートラップアッセイなどによる生化学的解析および蛍光抗体法による細胞生物学的解析を行う。さらにリュープロレリンや17-AAGなどの添加による凝集ARの発現量減少を確認し、病態モデルと薬剤スクリーニングツールの確立を目指す。
同時に既に樹立している1例についてマウス脳移植とその後の運動ニューロン分化について組織学的解析を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は予定していた3-4症例のSBMAの患者を集めることができておらず、SBMA-iPS細胞の樹立に取り掛かることができなかったため。

次年度使用額の使用計画

前述の通り皮膚線維芽細胞を提供して頂けるSBMA患者を募集し、SBMA-iPS細胞の樹立を試みる。iPS細胞の樹立には、試薬代のみで1症例当たり最低でも50万円程度は必要となるため、予算は主にiPS細胞の樹立に用いる。その他マウス脳移植に用いるマウスの購入費、飼育費にも用いる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 図書 (1件)

  • [図書] iPS細胞を用いた難病研究2015

    • 著者名/発表者名
      中畑龍俊
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      メディカルドゥ

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公開日: 2016-06-01  

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