研究課題/領域番号 |
25860724
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大山 彦光 順天堂大学, 医学部, 助教 (00407256)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | パーキンソン病 / 光遺伝学 / 光刺激 / 脳深部刺激療法 / 電気刺激 / ドパミン |
研究概要 |
本研究では、パーキンソン病およびジスキネジアモデルマウスにおいて、光刺激による視床下核・淡蒼球内節(マウスにおいては脚内核相当)細胞の興奮または抑制による線条体ドパミン濃度の変化を調べ、脳深部刺激療法(DBS)の電気刺激による反応と比較することによって電気刺激に対する光刺激の優位性を評価し、ニューロン特異的なニューロモジュレーション法を確立することを目的とした。この目的を達するため、最初のステップとして、黒質(SNc)の光刺激実験を行い、線条体ドパミン放出を測定し電気刺激と比較し、次のステップとして、視床下核・淡蒼球内節(脚内核)の光刺激実験を行い、基底核回路刺激(興奮/抑制)による線条体ドパミン放出への影響を解明し、最終的にはパーキンソン病モデルマウスおよびジスキネジアモデルマウスにおける視床下核または淡蒼球内節(脚内核)の光刺激(興奮/抑制)を行い、その治療効果を電気刺激と比較することを目的とした。平成25年度は光刺激によるマウス黒質細胞の興奮・抑制実験を行い、線条体ドパミン放出を測定し、電気刺激と比較するため、黒質光刺激による線条体ドパミン放出測定系を樹立した。この系が確立したことにより、光刺激によって電気刺激と同様に線条体のドパミン放出が測定できた。これによって、安定的に光刺激と電気刺激の効果を測定することができ、視床下角の電気刺激との比較、さらにはモデルマウスでの実験への応用が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、光刺激によるマウス黒質細胞および黒質線条体路の興奮実験を行い、線条体ドパミン放出を測定し、電気刺激と比較した。これにより、黒質およびMFB光刺激による線条体ドパミン放出測定系を樹立できた。本研究ではマウスで初めてin vivo光刺激による黒質刺激によるドパミン放出に成功した。本研究成果から、電気刺激によって黒質細胞の光刺激によっても、電気刺激と同様に黒質細胞を興奮させ、線条体でドパミンが放出されることが確認された。これによって、視床下角・淡蒼球内節の光実験のための予備検討を開始することができた。以上のことから、計画はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
黒質光刺激による線条体ドパミン放出測定系を樹立できたことから、今後は当初の予定通り、視床下角の光刺激実験、電気刺激実験を行っていく。適宜薬物投与による反応も追加し調べていく。また、淡蒼球内節(脚内核)の光刺激実験系の樹立、および、1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine (MPTP)による黒質破壊PDモデルマウスにおける視床下核光刺激および淡蒼球内節(脚内核)の光刺激実験も行い、PDモデルマウスにおける理想的なニューロモジュレーション法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
光刺激によるマウス黒質細胞の興奮・抑制実験を行うために、必要な機器、消耗品の準備および、また情報収集のため学会参加のため必要であった。 研究計画に従った実験計画を遂行するため、ひきつづき、光刺激装置、実験動物、機器、消耗品を継続して購入する必要がある。
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