研究課題
【背景】パーキンソン病(PD)に対するニューロモジュレーション法として電気刺激を用いた脳深部刺激療法(DBS)が臨床応用されているが、電気刺激によって神経活動を刺激しているのか抑制しているのかという点が明らかになっておらず、DBSによる線条体でのドパミン放出に対する影響に関しては一定の見解が得られていない。【目的】本研究では、光遺伝学を応用したグリアないしニューロンを選択的に刺激する光刺激と、従来の非選択的な電気刺激による線条体ドパミン放出に対する影響を比較することにより、PDに高い治療効果を持つ視床下核および淡蒼球内節DBSの作用メカニズムを明らかにし、より選択的かつ副作用の少ない優れたニューロモジュレーション技術の開発を目指した。【方法】57bl/6Jマウスの黒質にチャネルロドプシンまたはアークロドプシンをエンコードしたadeno-associated virus (AAV)を定位的に注入し発現させた。光刺激用ファイバーまたは電気刺激用電極を黒質を刺激し、線条体に挿入したカーボンファイバーからFast-scan cyclic voltammetry法を用いてドパミン放出を測定した。【結果】黒質の青色光刺激は、電気刺激同様に線条体におけるドパミン放出を起こすことを示した。また、黒質の電気刺激を黄色光刺激によって抑制できることを示した。【結論】ドパミン神経細胞を特異的に興奮または抑制するニューロモジュレーション法を確立した。本研究で確立した方法を用い、視床下核の電気刺激との比較実験、ジスキネジアモデルマウスでの治療応用実験を予定している。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Tremor Other Hyperkinet Mov
巻: 4 ページ: -
10.7916/D8542KQ5
Brain Stimul
巻: 8 ページ: -
10.1016/j.brs.2014.10.011