研究課題
若手研究(B)
パーキンソン病の病理学上特徴的な所見であるLewy小体の主要な構成成分はalpha-synucleinである.Alpha-synucleinの過剰な蓄積により、パーキンソン病に認知症を併発するびまん性レビー小体病に移行すると考えられている.Alpha-synucleinをコードする遺伝子は、SNCAであり4番染色体長腕4q21-22に存在する.SNCAの遺伝子変異としては、一塩基置換と倍化する2倍体、3倍体がある.当研究所にはSNCA 2倍体の家系は7家系、37名存在している.これらの中には70歳を超えても発症しないものが存在し、その浸透率は30-40%と算出されている.つまり、SNCAの2倍体を持ちながらも発症する群としない群があり、それらの相違に着目することにより、alpha-synucleinの発現に影響を与える因子を同定できるのではないかと考えられる.我々はaffymetrix社のGenome-wide human SNP arrayを用いて現在解析を行っている.
2: おおむね順調に進展している
Gene chipによる解析は現在も進行中である.同時に当初家族性パーキンソン病の新しい原因遺伝子としてフランスの大家系より単離されたEIF4G1遺伝子について、direct sequencingにて日本人由来の家族性パーキンソン病家系319例、正常コントロール374例について調べたが、2例にvariatを認めるのみであり、病的な変異は同定されなかった.これらはnegative dataとして本年Parkinsonism and related disordersにaccpetされ、現在in press中である.
今後本研究により見出されるであろうSNCAを修飾する遺伝子、相対的な危険因子となる可能性のある遺伝子の単離を目指す.同時に家族性パーキンソン病の原因遺伝子となりうる新規遺伝子については調査を行う.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
Parkinsonism and related disorders
巻: 20(6) ページ: 649-661
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Neurobiology of aging
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in press
Journal of stroke and cerebrovascular diseases