研究課題/領域番号 |
25860727
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
小早川 睦貴 東京情報大学, 総合情報学部, 助教 (80445600)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 身体 / 動作 / 情動 / パーキンソン病 |
研究実績の概要 |
本研究では身体動作による情動認知について、その認知神経基盤を探ることが目的である。具体的には身体動作認知成績がどのような要因によって左右されるかを2種の課題から明らかにする。情動認知課題と身体動作課題を用いて検討を進めていく計画であるが、情動認知課題については、既存の課題を用いてデータを蓄積中である。一方身体動作課題については、昨年度までに機器の選定およびデータ採取環境の設営を進めたため、本年度は課題の開発をさらに進め、データの採取を進めていった。具体的には、身体動作を記録する機器であるKINECTを用い、身体動作データを喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、驚き、恐怖といった情動別に作成した。作成した刺激を用いて試験的にデータ採取を進めており、刺激について評定法を用いて情動カテゴリへの当てはまりのよさを評定している。この手法を用いて、パーキンソン病患者や若年健常者についてデータが蓄積されていっている。データは刺激の信頼性を確かめつつ、今後さらに蓄積していく必要があり、検討結果は次年度専門学会にて発表していく予定である。 一方、今年度は情動認知全般および対象としている症例であるパーキンソン病に関する文献的調査を進め、その内容についてシンポジウム論文や総説としてまとめた。内容としては、パーキンソン病における行動異常と情動認知の関連性について自験例や文献例を挙げながらレビューし、その背景的な認知基盤を考察したものである。これらの内容は専門雑誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目的である身体動作刺激の作成およびデータ採取の着手というところまで進められた部分は計画にそっている。刺激の妥当性に関する検討や健常者における情動認知の検討がデータ不足であるが、症例における検討が既に進められている点は計画よりも早く進められており、全体としては大きな遅れとなっていない。
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今後の研究の推進方策 |
必要な段階まで研究計画が進んだといえるため、被験者の募集や症例データの蓄積など、計画にそってデータを取り進めていくことが重要と考えられる。また、採取されたデータについて学会や論文などにより公表していくことも視野に入れた研究遂行が必要と考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金の仕様が必要な段階まで研究計画が進められていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降はすみやかに研究を進め、計画した細目の費用を消費する予定である。
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