研究課題
本研究では身体動作による情動認知について、その認知神経基盤を探ることが目的であった。具体的には身体動作認知成績がどのような要因によって左右されるかを、情動認知課題と身体動作課題の2種の課題から検討した。情動認知課題については、昨年度からの継続として、パーキンソン病症例におけるデータを追加して採取していった。それらの背景的な検討結果や理論については、総説や原著論文として専門誌へ掲載された。パーキンソン病を対象とした研究では、その症状と認知機能の関連性について測定する手法について報告した。また、総説では筋強直性ジストロフィーと呼ばれる疾患を対象とした社会的認知障害について概観することで、情動認知とその障害について考察した。また、身体動作課題については、刺激の妥当性と基本的な認知難易度について確認するため、健常者を対象として予備的データを収集した。身体動作は喜び、悲しみ、怒り、嫌悪、驚き、恐怖の6種類の情動を表した動作について、点と線のみで構成された動画を用いて作成を行った。作成した刺激はインターネットを通じた調査法を用いて、若年および高齢健常者合計100名を対象にデータを得た。同様の方法を用いて、パーキンソン病例についてもデータを得ている。データは現在分析中であるが、今後はこれらの身体動作認知データと顔表情やその他情動認知成績との関連について分析をさらに進め、専門学会での発表を行っていく予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
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