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2014 年度 実績報告書

HAM高発症型HTLV-1を用いたHAM指向性決定機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860729
研究機関関西医科大学

研究代表者

上野 孝治  関西医科大学, 医学部, 助教 (80405167)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードHTLV-1 / HAM
研究実績の概要

HAM高発症型のイラン・ジャマイカ(J/I)型HTLV-1と日本型HTLV-1のウイルスの性状解析を行った。感染性クローンを一過性にtransfectionし、p19 ELISAによりウイルス産生量を比較したところ、J/I型は日本型よりも約2倍のウイルスを産生し、感染性クローンを用いて樹立したHTLV-1感染Jurkat細胞におけるウイルスmRNAの発現量はJ/I型ではfull length viral mRNA /doubly-spliced pX mRNAの比率が顕著に高いことが示された。さらに、これらの制御に深く関わると考えられるRex・Taxに関して検討してみると、J/I型ではdoubly-spliced pX mRNAから発現するRexは約9倍、Taxは約2倍の発現亢進が見られた。これらのタンパクの安定性には違いは認められず、タンパク産生量が異なると考えられた。J/I型と日本型では複数の塩基が異なり、責任領域を同定するために点変異体を作製し検討を行った。7774番目の塩基が日本型はC、J/I型ではTであり、Rexのアミノ酸がそれぞれSer、Pheと異なっていた。このアミノ酸の違いにより、抗Rex抗体の抗原認識性が大きく異なり、上記で認められたRexタンパクの発現の違いは抗原認識性の違いによるものであることが明らかとなった。従って、J/I型でfull length viral mRNA /doubly-spliced pX mRNAの比率およびウイルス産生量が日本型HTLV-1に比べて高いのは、これ以外の塩基配列の違いによるものであると考えられ、これを同定し、その作用メカニズムを解析することで、HAM指向性の原因が明らかになると考えられる。今後は今回用いたpX領域のみではなく、J/I型HTLV-1の全ウイルスゲノムをクローニングし、さらに詳細に解析を行う予定である。

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公開日: 2016-06-01  

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