成人T細胞白血病(ATL)とHTLV-1関連脊髄症(HAM)は共に代表的なHTLV-1関連疾患である。しかし、HTLV-1の疾患指向性が異なる原因はまだ未解明であるが、ウイルス株の違いが疾患指向性に関与する可能性があると考えられている。この可能性を調べるため、ATL指向性の日本型HTLV-1とHAM指向性のジャマイカ・イラン(J/I)型HTLV-1に関してウイルス性状の比較解析を行った。その結果、J/I型HTLV-1ではウイルス産生が多いことが明らかとなり、その制御にウイルス遺伝子の発現パターンの違いが関与している可能性が示唆された。
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