研究課題/領域番号 |
25860742
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
青山 倫久 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (50645538)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高次クロマチン構造 / 遺伝子発現制御 / 脂肪細胞 / 分化 |
研究概要 |
脂肪細胞の分化は転写因子のカスケードにより調節され、中でもマスターレギュレーターであるPPARγとC/EBPαのポジティブフィードバックループは重要な役割を果たすが、PPARγによるC/EBPα遺伝子の正確な転写制御機構は明らかでない。本研究ではPPARγによるC/EBPα遺伝子の転写制御機構をChIP-seqやゲノム上の離れた領域間の相互作用を検出する3C (Chromosome Conformation Capture)法を用いて明らかにする。 3T3-L1脂肪細胞におけるChIP-seqによるゲノムワイド解析から、既存のアプローチでは明らかでなかったC/EBPα遺伝子の下流に存在する機能的な複数の遠位エンハンサーを同定した。ChIPやオープンクロマチンを検出するFAIREによる解析でこれらの領域は、脂肪細胞の分化に伴いダイナミックなヒストンのアセチル化やオープンクロマチン構造のエピジェネティックな変化を認めた。更にChIP-seqによる解析で、インスレーター結合蛋白CTCFがC/EBPα遺伝子のプロモーターと遠位エンハンサー領域に結合していた。3C法による解析では、C/EBPα遺伝子のプロモーターと遠位エンハンサー間に分化に伴い増強するシグナルを認め、クロマチンループが形成されることが示唆された。PPARγやCTCFのノックダウンでは、遠位エンハンサーとプロモーター間の相互作用が減弱し、C/EBPα遺伝子発現低下、脂肪細胞分化の抑制を認めた。PPARγによるC/EBPα遺伝子の転写制御において、遠位エンハンサーとプロモーターのヒストン修飾やクロマチン構造、PPARγやCTCFを介したエンハンサー・プロモーター間のクロマチンループが重要な役割を果たす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度について予定していた研究目的については、ほぼ達成し、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度について予定していた研究目的については、ほぼ達成し、おおむね順調に進展している。そのため、研究計画及び研究体制に大幅な変更の必要性はないと思われ、当初の計画通り、研究を推進する予定である。
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