病態形成におけるフラクタルカインの役割は、疾患ごとに炎症を惹起または抑制のいずれにも調節し、大きく異なる。本研究課題では、肥満による炎症の誘導と維持におけるフラクタルカインとその受容体CX3CR1の役割について検討を行った。受容体CX3CR1を欠損したマウスは、対照群に比し、高脂肪食摂取によるインスリン抵抗性・高血糖・脂肪肝の増悪を認めた。フラクタルカイン-CX3CR1系は、肥満によるインスリン抵抗性の形成に重要であることが示唆される。現在、炎症細胞との関連性に着目し、フラクタルカイン-CX3CR1の慢性炎症、インスリン抵抗性に与える影響とそのメカニズムについて解析を進めている。
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