全身のオートファジー不全をきたすLamp2欠損マウス、Atg5遺伝子ヘテロ欠損マウスでは飢餓時のケトン産生が減少した。Atg5遺伝子に対する肝臓・筋肉・腎近位尿細管細胞特異的、さらにダブル欠損マウスを作製し検討した。筋肉及び腎近位尿細管細胞特異的At5欠損マウスでは飢餓時ケトン産生は障害されなかったが、肝臓特異的Atg5欠損マウスでは部分的なケトン産生が障害され、肝臓+近位尿細管細胞特異的ダブル欠損マウスでは更なるケトン産生の低下が確認された。オートファジー機構は飢餓時のケトン産生に必須であり、肝臓が大部分を担っているが腎近位尿細管細胞にも潜在的なケトン産生能が存在することが明らかとなった。
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