肥満は多くの生活習慣病の危険因子であり、詳細なメカニズムの解明が新規治療法の創成に必須である。申請者はmRNA分解を担う真核生物の主要poly(A)鎖分解酵素 CCR4-NOT複合体の酵素活性サブユニット CNOT8 の肝臓特異的欠損マウスモデルを用いて、肥満発症の新規分子機序の解明を目指した。この結果、CNOT8がEgfr mRNAの発現を抑制し肥満発症に寄与することを示した。さらに、CNOT8はEgfr mRNAを脱アデニル化非依存的に転写後制御することが示唆された。本研究の更なる遂行により、肥満発症の新規分子メカニズムと転写後遺伝子発現調節機構の新たなモデルを提唱できると考えられる。
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