研究課題/領域番号 |
25860765
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤井 寿人 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50537347)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 軟骨 / 成長板 / 低身長 |
研究実績の概要 |
C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)は内軟骨性骨化において重要な役割を果たしており、低身長症を呈する軟骨無形成症モデルマウスとの交配実験においてその低身長をレスキューすることが報告されている。このCNPの強力な骨伸長促進作用を他の低身長症を呈する骨系統疾患に適応を拡大するために、低身長症を呈するSpondyloepiphseal Dysplasia Congenita(SEDC、先天性脊椎・骨端異形成症)に着目した。SEDCは常染色体優性遺伝形式の疾患であり、低身長症を呈する先天性の希少難病であるが、現在、有効な治療法はない。SEDCは常染色体優性の遺伝形式であり、原因遺伝子座はⅡ型コラーゲン(Col2A1)である(Lee B et al,Science,1989:244:978-980)。Ⅱ型コラーゲンは主に軟骨に多く発現しており、長管骨の骨端部にある成長板軟骨にも多く発現している。SEDCでは異常なⅡ型コラーゲンの発現により長管骨成長のエンジンである長管骨の骨端部にある成長板軟骨の軟骨細胞の増殖と分化がともに障害される。よって、症状としては著しい低身長症を呈する。SEDCの低身長症の治療としてCNPの投与治療が有効かどうか検討するためにSEDC遺伝子変異マウスとCNP投与モデルであるSAP-CNP-Tgマウスとの交配実験を引き続き継続して行い、目的としているSEDC/SAP-CNP-Tgマウスの作出を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
SEDC遺伝子変異マウスとCNP投与モデルであるSAP-CNP-Tgマウスとの交配実験を行っているが、目的としているSEDC/SAP-CNP-Tgマウスの作出が予想よりも少ないために解析が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
SEDC遺伝子変異マウスとCNP投与モデルであるSAP-CNP-Tgマウスとの交配実験を引き続き継続して行い、目的としているSEDC/SAP-CNP-Tgマウスの作出し、CNPのSEDCの低身長に対する有効性を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
SEDC遺伝子変異マウスとCNP投与モデルであるSAP-CNP-Tgマウスとの交配実験を行っているが、目的としているSEDC/SAP-CNP-Tgマウスの作出が予想よりも少ないために解析が遅れているため。
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次年度使用額の使用計画 |
SEDC/SAP-CNP-Tgマウスの解析するために、脛骨を取り出して組織学的解析を行う。具体的にはⅡ型コラーゲンやⅩ型コラーゲンなどの分化マーカーの免疫染色やin situ ハイブリダイゼーションを行いCNPのSEDCマウスの低身長に対する有効性を解析する。また、成長曲線を作成。軟X線撮影を撮影して全身性の骨への影響を解析する。
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