C型ナトリウム利尿ペプチドの骨伸長促進作用を低身長症を呈する骨系統疾患に適応を拡大するために低身長症を呈するSpondylo epiphseal Dysplasia Congenita(SEDC、先天性脊椎・骨端異形成症)をターゲットとしてモデルマウスを用いた検討を計画した。 SEDCは常染色体優性遺伝形式の疾患であり、原因遺伝子座はⅡ型コラーゲン(Col2A1)である。症状としては著しい低身長症のほかに、視力障害(近視)や聴力障害、脊椎側湾が出現し、時に頸椎症による神経症状を呈して外科的手術を要することがある。精神発達は正常であり、また、妊娠や出産も可能である。低身長症を呈する先天性の希少難病であるが、現在、有効な治療法はない。SEDCの低身長症の治療としてCNPの投与治療が有効かどうか検討するために今回の研究を計画した。 方法としては、C型ナトリウム利尿ペプチドを肝臓特異的に過剰発現させて血中CNP濃度が上昇しているSAP-CNP-TgマウスとSEDCモデルマウス(ヘテロ)を交配してSAP-CNP-Tg/SEDCホモマウスを作成を試みた。SEDCモデルマウスは米国のジャクソン社から輸入した。 交配実験を試みているが、SAP-CNP-Tg/SEDCホモマウスは未だに得られていない。今後も交配実験を続けながらC型ナトリウム利尿ペプチドのSEDCモデルマウスの低身長に与える影響(有効性)について検討を継続していく予定である。
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