研究課題
若手研究(B)
レプチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンであり、主に脳の視床下部に作用して強力に摂食を抑制するのみならずインスリン感受性の亢進により糖代謝を改善する。肥満ではレプチンの作用が減弱している「レプチン抵抗性」の状態にあり、肥満の主な病態のひとつとされているが、その詳細な機序については不明である。本研究により、神経ペプチドであるニューロメジンU(NMU)が、炎症シグナルを介して視床下部でのレプチン抵抗性や全身のインスリン抵抗性の発症や進展に関与している可能性が示唆された。これらの知見から、NMUの作用を阻害する物質は、肥満症、糖尿病、メタボリックシンドロームの新たな治療薬に結びつく可能性がある。
内分泌学