研究成果の概要 |
自然免疫活性化シグナルが移植片対宿主病(GVHD)に及ぼす影響を検討し, ドナーT細胞内のMyD88分子がGVHDの重症化に必要であることを突き止めた。MyD88の上流の分子を単独で欠損させてもGVHDは影響をうけないので, GVHDを予防するためにはMyD88を阻害してこれらの上流分子からのシグナルをまとめて阻害する事が必要である。MyD88シグナルが欠損したT細胞は, Th1への分化能が強く障害されている事が判明した。MyD88欠損T細胞は有意な抗白血病効果を発揮できるので, MyD88阻害剤は同種造血幹細胞移植後のGVHD予防・治療に有用であると考えられる。
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