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2013 年度 実施状況報告書

生体内に残存するCML幹細胞の同定と特性解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860796
研究種目

若手研究(B)

研究機関近畿大学

研究代表者

平瀬 主税  近畿大学, 医学部, 講師 (30548590)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード慢性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / 微小残存病変
研究概要

本年度は、申請者らが見出した未分化なCML細胞特異的に発現する分子(CD120a, CD225, CD294, CD320)を用いたMRDの検出、および特異抗原の生理作用について検討を行った。計13例のCML症例における骨髄有核細胞中のCD34+38-かつCD225+120a+細胞の頻度を継時的に解析した。経過を追えた症例は少数ではあるが、いずれの症例においても治療に伴いその頻度は減少すること、ある一定の頻度を保ったまま推移する症例があること、また臨床上同じ分子遺伝学的寛解を得ている症例においても、確実に細胞集団として検出できる症例と、できない症例があることが明らかとなった。今後より多くの症例で同様の検討を行う必要はあるが、このようなkineticsを通して、CML特異抗原の発現がTKIに対する長期的な反応を予測できるマーカーとなる可能性が示唆された。CD120aは、TNFα,β受容体として知られているが、CML幹細胞における作用については明らかではない。初発時に採取したCD34+38-かつCD225+120a+細胞、CD225-120a-細胞をin vitroにおいてTNFαで刺激した場合、CD225+120a+細胞において有意にNF-κBの活性化が誘導された。プロテアソーム阻害剤添加によりNF-κB活性を抑制すると、CD225+120a+細胞に著明な細胞死が誘導されたことから、未分化なCML細胞では、TNFα/CD120a- NF-κBを介した生存シグナルが機能していると推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の計画として、我々の同定した未分化CML細胞特異抗原がCML幹細胞マーカーとして有用であるかについての解析を予定していた。多数例での検討によりその有用性が確認できたとともに、生理作用についても新たな知見を見出すことができた。ほぼ計画通りに研究を遂行できていると考えられる。

今後の研究の推進方策

平成26年度以降は、未分化CML細胞特異抗原を標的とした新規治療薬の開発を中心に解析を行う。具体的には、各CML特異抗原に対する中和抗体を作成し、CML治癒を目指す治療薬として有効であるかどうかをマウスの移植実験にて解析する。具体的には、マウス骨髄細胞に BCR-ABLを遺伝子導入し、放射線照射した同系マウスに移植し、CML モデルマウスを作成する。このマウスにTKI、中和抗体それぞれ単独、あるいは両者を組み合わせて投与した場合の白血病発症に及ぼす影響について解析する。

次年度の研究費の使用計画

本年度分は、主に試薬の購入に充当する費用として算出していたが、予定よりも少額に収まった為、次年度に繰り越すこととした。
次年度以降の試薬、実験動物等の購入費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] Localised giant haematoma and subsequent widespread purpura as a sign of acquired haemophilia A.2013

    • 著者名/発表者名
      Oiso N, Hirase C, Morita Y, Hirao A, Uchida S, Sasakawa A, Toyomasu M, Tatsumi Y, Matsumura I, Kawada A.
    • 雑誌名

      Australas J Dermatol.

      巻: 17 ページ: 144-150

    • DOI

      doi: 10.1179/102453312X13376952196377.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 慢性骨髄性白血病2013

    • 著者名/発表者名
      平瀨主税、松村 到
    • 雑誌名

      臨床と研究

      巻: 90 ページ: 48-56

  • [雑誌論文] 慢性骨髄性白血病2013

    • 著者名/発表者名
      平瀨主税、田中宏和、松村 到
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 23 ページ: 67-72

  • [学会発表] 造血幹細胞移植後の真菌感染症に対する低用量アムホテリシンBリポーム製剤の安全性および有用性に関する検討2014

    • 著者名/発表者名
      芦田隆司、芹澤憲太郎、川内超矢、江本正克、谷口康博、福井彩乃、大山泰世、井上宏昭、金井良高、平瀨主税、森田泰慶、宮武淳一、福島靖幸、川野亜美、井手大輔、菅野知恵美、加藤祐子、椿本祐子、伊藤志保、松村 到
    • 学会等名
      第36回日本造血細胞移植学会総会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20140307-20140309
  • [学会発表] 当院における同種造血幹細胞移植時のダプトマイシンの有用性と安全性2014

    • 著者名/発表者名
      芹澤 憲太郎、森田 泰慶、江本正克、大山泰世、福井彩乃、井上宏昭、川内超矢、金井良高、平瀨主税、田中 宏和、嶋田 高広、宮武淳一、辰巳 陽一、芦田 隆司、松村 到
    • 学会等名
      第36回日本造血細胞移植学会総会
    • 発表場所
      沖縄
    • 年月日
      20140307-20140309
  • [学会発表] Results of gemcitabine therapy for relapsed of refractory Non-Hodgkin's lymphoma in one institute.2013

    • 著者名/発表者名
      Serizawa K, Morita Y, Taniguchi Y, Kawauchi M, Eguchi G, Emoto M, Kanai Y, Rai S, Hirase C, Tanaka H, Shimada T, Tatsumi Y, Ashida T, Matsumura I.
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      ロイトン札幌・さっぽろ芸文館・札幌市教育文化会館
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [学会発表] Trib1 and Trib2 block myeloid differentiation by suppressing AKT phosphorylation.2013

    • 著者名/発表者名
      Kanai Y, Shimada T, Taniguchi Y, Rai S, Hirase C, Morita Y, Tanaka H, Miyatake J, Tatsumi Y, Ashida T, Matsumura I.
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      ロイトン札幌・さっぽろ芸文館・札幌市教育文化会館
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [図書] Annual Review 血液2013

    • 著者名/発表者名
      平瀨主税・田中宏和・松村 到
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      中外医学社
  • [図書] ここまできた 白血病/MDS治療2013

    • 著者名/発表者名
      平瀨主税・田中宏和・松村 到
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      中山書店
  • [図書] ここまできた 白血病/MDS治療2013

    • 著者名/発表者名
      田中宏和・平瀨主税・松村 到
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      中山書店

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公開日: 2015-05-28  

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