• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

生体内に残存するCML幹細胞の同定と特性解析

研究課題

研究課題/領域番号 25860796
研究機関近畿大学

研究代表者

平瀬 主税  近畿大学, 医学部, 講師 (30548590)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード慢性骨髄性白血病 / 白血病幹細胞 / 微小残存病変 / miRNA
研究実績の概要

本研究では、CML根絶に向けた取り組みとして、TKI抵抗性のCML幹細胞を同定し、治療抵抗性に関わる機序等を解明することを目的とする。昨年までに、single cell レベルで網羅的な表面抗原の発現解析を行い、TKI投与中に残存する未分化なCML細胞特異的に発現する分子としてCD120a, CD225, CD294, CD320を同定した。
本年度は、未分化CML細胞特異抗原陽性細胞の特性解析を中心に行った。未分化CML細胞におけるbcr-ablの発現量をsingle cellで解析した結果、大部分が治療前と比較してMMR到達時には約1/10程度に減少していたが、初発時と同定度の発現を認める症例や、bcr-ablだけでなく内部コントロールablの検出されない症例が認められた。後者に関し、ablの発現に作用するmiRNAの発現変化を解析した結果、mir203, 30a, 27b, 10aの発現が初発時には未分化CML細胞特異的に抑制され、寛解期に回復していた。さらに、各miRNAのプロモーター領域のメチル化状態をTKI投与前後で比較した結果、ablが検出できた症例、できなかった症例いずれも、初発時にはmir203のプロモーターはメチル化されていたのに対し、MMR時では、ablを検出できなかった症例でのみ脱メチル化されていた。以上の結果、臨床上同じ寛解状態を得ている症例においても、CML幹細胞の状態はかなり異なると考えられた。今後は、初発時、およびTKIs投与により寛解を得た骨髄サンプルから、CD225等の特異抗原陽性の細胞を分離し、FISH法による染色体レベルでのBCR-ABLの発現率、遺伝子レベルでのBCR-ABLの発現率を評価すし、各々単独、あるいは複数を組み合わせた場合の感度、特異度を算出することでMRDを評価する必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] HIV-negative Primary Bone Marrow Hodgkin Lymphoma Manifesting with a High Fever Associated with Hemophagocytosis as the Initial Symptom: A Case Report and Review of the Previous Literature.2015

    • 著者名/発表者名
      Morita Y, Hirase C, Matsumura I,et al.
    • 雑誌名

      Intern Med.

      巻: 54 ページ: 1393-1396

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.54.3770.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Molecular mechanisms in the resistance of CML stem cells to tyrosine kinase inhibitors and novel targets for achieving a cure.2015

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Hirase C, Matsumura I.
    • 雑誌名

      Rinsho Ketsueki.

      巻: 56 ページ: 139-149

    • DOI

      10.11406/rinketsu.56.139.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Analysis of MECP regimen with relapsed or refractory malignant lymphoma in our institution2015

    • 著者名/発表者名
      Kentaro Serizawa,Chikara Hirase,Itaru Matsumura, et al.
    • 学会等名
      第77回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-18
  • [学会発表] Antithymocyte globukin in second-line tretment of steroid-refractory acute GVHD2015

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ashida,Chikara Hirase,Itaru Matsumura,et al.
    • 学会等名
      第77回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂、ANAクラウンプラザホテル金沢
    • 年月日
      2015-10-16 – 2015-10-18

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi