研究課題/領域番号 |
25860797
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
増田 潤子 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (20424674)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 造血幹細胞 / E2A |
研究実績の概要 |
造血幹細胞(HSC)は自己複製能を有し、免疫細胞を含む、すべての血液細胞への分化能を有する。HSCや免疫細胞は、がん、白血病 および糖尿病患者の治療に有効であるため、患者のHSCを長期にわたって生体外培養、増幅および保存を可能にする技術の確立が求められている。E2Aは、HSCのB細胞への初期分化に必須な転写因子である。最近、E2Aの機能を阻害したHSCをB細胞培養条件下で培養すると、造血幹/前駆細胞を未分化のまま試験管で培養できることが報告された。人工多能性造血幹/前駆細胞(induced hematopoietic stem/progenitor cell: iHSP細胞)と名付けられたこの細胞は、1. すべての白血球にいつでも分化できる能力をもつ状態で、2. 無限に増殖させることができ、3. 凍結保存が可能である。そのため、患者HSC由来iHSP細胞の臨床応用が期待されるが、E2Aの機能阻害によるiHSP細胞誘導は、レトロウイルスを用いた方法のみ成功しており、安全性の面から現状の方法を臨床に応用することは難しい。そこで本研究では、従来よりも安全な方法で、かつ効率的に、E2A発現を阻害する方法の確立を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトE2A(hE2A)遺伝子の転写開始点の上流に特異的に存在する塩基配列を探索し、その領域を認識するTALエフェクター-転写抑制因子融合タンパク質TALE-hE2A-KRAB発現プラスミドpTALE-hE2A-KRABの構築を行った。構築は外部に委託したが、納品が大幅に遅れたため、研究の遂行が予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
hE2A発現細胞にpTALE-hE2A-KRABを導入した時のhE2A発現抑制の確認を、ウエスタンブロット法、リアルタイムPCR法およびフローサイトメトリーを用いて行う。さらに、hHSCにpTALE-hE2A-KRABを導入し、B細胞培養条件下で培養した時のiHSP細胞の誘導も試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒトE2A(hE2A)遺伝子の転写開始点の上流に特異的に存在する塩基配列を探索し、その領域を認識するTALエフェクター-転写抑制因子融合タンパク質TALE-hE2A-KRAB発現プラスミドpTALE-hE2A-KRABの構築を行った。構築は外部に委託したが、納品が大幅に遅れたため、研究の遂行が予定より遅れた。
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次年度使用額の使用計画 |
論文執筆にむけた実験に使用する。また、情報収集を行うための学会参加費用に使用する。
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