1.抗MDA5抗体の末梢血単球に対する刺激の検討 抗MDA5抗体陽性患者と健常人の血清IgGをIgG精製カラムにより精製した。また、健常人末梢血単核球(PBMC)からCD14陽性細胞(単球)をMACSによるpositive selectionで精製し、24 well plateに1×10~5個ずつまいた。そこへ、抗MDA5抗体陽性(αMDA5(+))IgGもしくは健常人(NC)IgGを加え、poly I:Cで刺激した。刺激後の培養上清中のIL-6濃度をELISAで測定した。刺激24時間後において、polyI:C濃度1ug/mlまたは0.1ug/ml+IgG100ug/mlで刺激した場合にNC IgGよりもαMDA5(+) IgGで刺激した方がより高濃度のIL-6を分泌している可能性が示唆された。(poly I:C 1ug/ml+IgG100ug/ml; 58.2pg/ml(NC) v.s. 84.3pg/ml(αMDA5(+))、polyI:C 0.1ug/ml+IgG 100ug/ml; 37.0pg/ml(NC) v.s. 326.9pg/ml(αMDA5(+)) 検討数が少ないため、統計学的有意差を検討するまでには至っておらず、今後症例数を増やして検討する必要がある。 2.患者血清中MDA5蛋白の検討 抗MDA5抗体を用いたサンドイッチELISAを作成し、血清中のMDA5蛋白の有無を評価した。スタンダードとしてMDA5のC末端半分のリコンビナント蛋白を作成しELISAの検量を行った。抗MDA5抗体陽性患者v.s.健常人 3.43±5.6ug/ml v.s. 0.66±1.5ug/mlであり抗MDA5抗体陽性例で有意に末梢血中MDA5蛋白が検出された。このことは末梢血中にMDA5蛋白が循環している可能性を示し、今後、ウエスタンブロットによる検証が必要である。
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