研究実績の概要 |
対象;当院または関連施設で新規に診断、または再発と診断し加療を行った成人スチル病患者7名と年齢、性別を一致させた健常コントロール4名 方法;患者群では治療介入前にRNA用真空採血間及び血清、コントロール群でRNA用真空採血間で採血を施行。リアルタイムPCR法にてTLRを測定した。患者群ではさらに血清より生化学、免疫学的検査データを収集した。 結果;患者群ではコントロール群と比べTLR5の発現が有意に上昇していた。(患者群;0.2355,コントロール群; 0.082, p=0.05).また疾患活動性を表す各種臨床パラメーターとTLR5との相関を調べると、プロカルシトニン値、可溶性IL2レセプターとの間に中等度の相関を認めた(プロカルシトニン;r=0.618,可溶性IL2レセプター;r=0.607).また臨床所見に於いては表在リンパ節腫脹を認めない群においてリンパ節腫脹を認める群より有意にTLR5の上昇を認めた.(リンパ節腫脹なし;0.4242、リンパ節腫脹あり;0.156 p=0.0059) 考察;TLR5は微生物由来成分のフラジェリンと直接相互作用することが示されている。今回の結果より成人スチル病の病態形成において鞭毛を有する微生物の関与が示唆された。現時点では少数の検討であるためより大きな集団での検討が必要であると考える。
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