研究課題
強皮症の自己抗原であるトポイソメラーゼⅠ(topo1)並びにセントロメアB(CENTB)タンパク質翻訳修飾解析について、強皮症患者由来並びに健常者末梢血単核球(PBMC、各n=3)を抗原タンパクとし、二次元電気泳動法を用いて分離・展開した。抗topo1抗体並びに抗CENTB抗体をもちいて、ウェスタンブロット(WB)を行い、抗体陽性強皮症群と健常人群WBを用いて抗原反応についての比較、検討した。抗topo1抗体によるWBでは全12スポットの反応部位を検出し、2群間で異なる反応強度を示すタンパク質スポットが5スポット得られた。異なる反応性をもつtopo1を検出するため、健常人群と比較して反応強度2倍以上(又は2倍以下)のスポットにつき質量分析を行った。いずれもtopo1の同定には至らなかったが1スポットでCopper homeostasis protein cutC homologを同定した。このタンパク質は銅吸収調整に関わり、現段階では強皮症との関連した報告はみられなかった。同様に、抗CENTB抗体を使用しWBを行った結果全8スポットを検出し、内、2群間で2倍以上の反応強度が4スポットでみられ、同部位につき質量分析を行ったがCENTBの同定には至らず両者とも同定にはタンパク質量不足が考えられた。次に、自己抗原タンパク質の回収のため、患者並びに健常人PBMCを抗原タンパクとし、抗topo1抗体並びに抗CENTB抗体を用いて免疫沈降法を行ったが、目的タンパク質の検出は困難であった。以上から、抗原として各群のPBMCタンパク質をSDS-PAGEにより分離し、抗体として個々の被験者の血清を用いてWBを行い比較検討を行った。抗セントロメア抗体陽性者の症例では、健常人群と個々の患者血清群で検出バンドに差がみられたが、群間での優位差がみられなかったことから、現在検体数を増やして検討している。
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Modern Rheumatology
巻: 24 ページ: 844-850