Foamy virus(FV)ベクターによるX連鎖重症複合免役不全症(X-SCID)に対するより安全な造血幹細胞遺伝治療の確立を行った。A2UCOE配列をプロモーターとしてγc鎖cDNAを組み込んだFVベクターによりX-SCIDマウスの骨髄細胞に遺伝子導入を行い、その後NOD/SCID-γc nullマウスに移植した。移植後のマウスでは、T細胞(CD3抗体による増殖とIL-2の産生)、B細胞(血清免疫グロブリンの上昇)の機能回復を認め、免疫系の再構築を認めた。ベクター挿入部位解析では、レトロウイルスベクターに比べて、よりランダムな挿入パターンであり、FVベクターの安全性が示唆された。
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