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2013 年度 実施状況報告書

BRAF遺伝子変異をもつCFC症候群発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 25860839
研究種目

若手研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

井上 晋一  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70622091)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードCFC症候群 / BRAF / RAS/MAPK / RASopathies / 心臓発生 / 先天奇形症候群
研究概要

体細胞におけるBRAF遺伝子への変異はメラノーマに多く認められ、そのほとんどの変異がRAS/MAPKシグナルの下流であるERKを活性化する。生殖細胞系列におけるBRAF遺伝子変異はCFC症候群の原因となり、がんで認められる変異同様に、多くの変異はERKを活性化する。しかしながら、CFC症候群で認められるBRAF変異がマウスにおいても同様にERKを活性化しているかどうか、そこに種差が存在しているかどうかはわからなかった。そこで、CFC患者で認められる変異と相同な塩基に変異をいれた発現ベクターを作製し、NIH3T3細胞に過剰発現を行いERK下流のElk活性をレポーターアッセイにより解析した。その結果、マウスのBraf遺伝子への変異でも同様にElk活性の上昇を示すことから、マウスとヒトの相同性が明らかになりERKの活性化に種差が存在しないことがわかった。
マウスとヒトでの機能的(Elk発現上昇)相同性が確認できたことから、CFC症候群患者で認められるBraf遺伝子変異をもつノックインマウスの作製(CFCモデルマウス)を行った。作製したCFCモデルマウスF1とCAG-Creトランスジェニックマウスとかけあわせたところ、その仔マウスは胚性致死および新生児期早期に死亡することが確認された。またこれらの死亡マウスで全身性にBraf遺伝子変異の発現が認められるかどうかRNA抽出を行い、その後、cDNA合成、シークエンスを行ったところこれら死亡マウスでのBraf遺伝子変異の発現が認められた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的はCFC症候群患者で多く認められるBRAF遺伝子変異が生体内でどのようなシグナル伝達メカニズムをもつのか、そしてそのシグナル伝達の変動は患者の病因と繋がっているかどうかを明らかにするものである。本年度はCFC患者で認められるBRAF遺伝子変異によるERKの活性化に種差が存在しないか調べたが、マウスでも同じようにERKの活性化が認められることからマウスでの解析がヒトのモデルとして有用である可能性がわかった。
CFC症候群患者の多くは肥大型心筋症、肺動脈狭窄、心房中隔欠損などの心疾患を示す。本年度、CFCモデルマウスが作製できたことからこれら心疾患について詳細な解析を次年度行うことができると判断し順調に進んでいると評価した。

今後の研究の推進方策

CFCモデルマウスが作製できたことから、本マウスを用いて詳細な解析を行う予定である。まずCFCモデルマウスが胚性致死であったことから、どの時期に死亡しているのか、胎児を取り出し解析を行う。現在の解析では、生後1日目に死亡しているマウスのジェノタイピングを行った際に、目的のCFCモデルマウスが得られたことから胎生の後期、出産時は生存しているものと考えている。よってまずembryonic day (E)16.5-E18.5の時期を中心にまず解析を行いたい。また、CFC症候群患者の多くは心疾患をもつことから胚性致死、出産直後の死亡を心疾患によるものと考え心臓の解析を中心に進めて行きたい。

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公開日: 2015-05-28  

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