川崎病モデルマウスをもちいて、炎症性サイトカインであるHMGB1の果たす役割を検討した。抗HMGB1中和抗体の投与により、冠動脈炎が有意に抑制されたことや、血清炎症サイトカインが有意に低下したことなどを示した。また免疫染色により冠動脈血管炎の病変局所においてHMGB1が強く発現していることも示した。これらのことから、モデルマウスにおける血管炎の発症にHMGB1を含む自然免疫系が関与していることが示唆された。今後さらに検討をすすめ、川崎病血管炎における自然免疫系の果たす役割を明らかにし、新たな治療法の確立に役立てるように研究を続ける予定である。
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