小児再発及び難治性白血病に対する新規治療方法を開発する目的で研究している。 平成25年度では、健常ヒトprimary NK細胞における抗CD19特異的キメラ型受容体の機能をさらに増強させるため、T細胞の共刺激因子であるCD28を同時発現させた第3世代遺伝子改変キメラ受容体を作成し、受容体の発現および細胞障害活性を解析した。発現はコントロールと比較すると低い傾向であったが、機能そのものは保たれていた。 平成26年度は、この遺伝子改変NK細胞の前駆B細胞白血病細胞株に対する細胞障害活性をさらに増強させる目的で、新たな因子を加えた第3世代の新規遺伝子改変キメラ受容体の作成に取り組んだが、ベクター作成が上手くいかず時間を要した。 平成27年度は、平成26年度で作成途中のベクターについて、新規因子のPCR配列の確認、制限酵素部位の配列確認、ライゲーションキットの変更、形質転換に用いる大腸菌の変更など、様々な点を修正しながら新規の第3世代キメラ型受容体の作成を試みた。 平成28年度は、上記の如く試行錯誤を重ね、目的の新規第3世代キメラ型受容体作成が完了し、遺伝子導入、受容体発現および機能発揮を確認した。第2世代と比較すると発現が低い傾向であり今後の検討課題と考えられた。
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