本年度は前年度の結果を元に、まず気道上皮からのIL-18分泌がautophagy に関わるという証明をより堅固なものとするために、異なるautophagy inhibitorであるBafilomycinを用いてIL-18の分泌を検討した。その結果、Bafilomycin を用いても同様にIL-18の分泌を抑制できることが判明した。次に気道上皮細胞からのIL-18分泌シグナルがどのようなレセプターを介して分泌されるのかを検討した。我々はinnate immune systemの引き金となる、Toll like receptor (TLR) 1-9の各々のinducerを用いて気道上皮細胞を刺激し、IL-18分泌の有無を検討した。TLR1-9のすべてのinducerを用いてもIL-18は誘導されず、気道上皮からのIL-18分泌はTLR-1-9を介さないことを証明した。更にcaspase 1 inhibitorを用いて気道上皮由来のIL-18分泌を検討したところ、Caspase 1 inhibitorを用いてもALT-EによるIL-18の分泌は抑制されず、気道上皮からのIL-18分泌はCaspase 非依存型であると結論づけた。次にダニ抗原とアルテルナリア抗原がIL-18の分泌において、どのような相違点をもつのかをダニの主要抗原であるLPSを用いて行った。アルテルナリア抗原においてはオートファジーを誘導する際に、オートファゴソームの形成に関わるLC3-II蛋白の上昇とオートライソゾームの形成に関わるp62の下降が認められるのに対して、LPS刺激群においては、LC3-IIの上昇は認めるもののp62の減少を認めないことが判明した。LPSにおいてはオートファジーは誘導されるものの、オートライソゾームの形成までには至らず、その結果としてIL-18の分泌がなされないのではないかと考えた。
|