ペルオキシソーム形成異常症は主に新生児で発症する遺伝性の難病である。本疾患で見られる脳や肝臓での異常が引き起こされる過程を理解し有効な治療方法に繋げるために、疾患モデルとなるゼブラフィッシュを用いて研究を行った。病因となるPEX2遺伝子をゼブラフィッシュに於いて遺伝子編集技術により変異させて変異型が異なる2系統の疾患モデルフィッシュを作成した。強変異型では1-2ヶ月程度で死亡するのに対し弱変異型では約8ヶ月まで生存後死亡した。これは重症型、軽症型患者の病態を再現している。また肝臓の変質や遊泳能力の低下が顕著であり、極長鎖脂肪酸等の代謝異常が確認された。今後さらなる病態解明を進める予定である。
|