CPT2欠損症、VLCAD欠損症のヒト線維芽細胞に対して、in vitro prone(IVP) assayで、平成25年度とは濃度を変更したベザフィブレート(BEZ)とレスベラトロール(RVL)を同一の患者の細胞に対して投与した。BEZを加えた培地ではβ酸化能が改善したが、RVLを投与した培地では投与濃度(1-1000μmol/l)比例してβ酸化能の悪化が認められた。 BEZは臨床的にCPT2欠損症、VLCAD欠損症に対して既に有効性が示されている。RVLはBastinらががヒト線維芽細胞を用いた酵素活性の研究で、sairtuin-1遺伝子を活性化させ、ヒストンの脱アセチル化によってにβ酸化を改善する、と報告していた。また、2014年にも新たにAiresらが、CP2欠損症、VLCAD欠損症の線維芽細胞において、RVLがミトコンドリア脂肪酸酸化を改善すると報告している。 今回の実験の予想していた結果としては、RVLがIVP assayでも有効性ある事が証明され、さらにその上でBEZ、RVLの効果の比較を目的としていた。 今回、RVLがIVP assayでβ酸化能を低下させた原因は明らかでは無いが、RVLはIVP aasayは適していない可能性が高い。
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