研究実績の概要 |
平成27年度の研究成果 (1)検体集積:両親の検体が使用可能な3症例(症例1:12歳女児、症例2:15歳男児、症例3:1歳男児において、以下の解析をおこなった。 (2)エクソーム解析:3症例とその両親において、末梢白血球から通常の方法でゲノムDNAを採取し、次世代シークエンサー(SOLiD 5500, Life Technologies)を用いて、全遺伝子のエクソン領域の配列を決定した。De novo候補変異数は3症例ともに平均で約30万だったが、その後,missense, nonsense, frameshift, splice変異を抽出し,データベースを用いて候補変異を抽出,最終的には直接シーケンス法で確認したところ,de novo変異コール数は家系1が4遺伝子の4変異(CDK13, MYOD1, SPATA13, XYLT),家系2が1遺伝子1変異(TUBGCP3)を同定した。常染色体劣性遺伝形式をとるホモ変異は、家系1では1遺伝子1変異(SMARCA2),家系2では3遺伝子3変異(TSPAN2, YEATS2, SYNM),家系3ではいとこ婚であることを反映してか,9遺伝子9変異を認めた(PKN2, MAGI1, ROBO1, KHDC1L, CCDC91, HNF1A, CYP1A2, TTLL12, RP1-32I10.10)。複合ヘテロ変異3症例ともに同定されなかった。これらの候補遺伝子のヒト下垂体での発現は明らかではなかった。 (3)ゲノムコピー数解析:エクソーム解析では解析できないコピー数の異常検出するため、array CGH、SNP array解析を行った。上記症例1ではHTR1Fを含む3p11.2領域の微小ヘテロ欠失を同定した。これは表現型正常である父にも同定されたため、病的意義は低いと考えられた。
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