研究課題
補体B因子におけるCFB p.S367R変異について、蛋白立体構造の解析から本変異が補体B因子の機能獲得性変異に関与すると考えられることを報告した。これは、膜性糸球体増殖性腎炎の原因として補体B因子の関与を示した初めての報告となった。また、補体後期経路のsoluble C5b-C9等を測定し、健常者との比較等の検討を行ったうえで、本変異により補体第二経路が持続的に活性化されていることを証明した。さらに、CFB p.S367Rの機能変異型蛋白の作成に成功し、機能解析を行う予定であったが、変異蛋白の大量培養が実現に至らなかった。研究計画を一部変更し、同様の補体第二経路異常で発症する非典型溶血性尿毒症症候群や、病態の一部に補体異常の関連が想定されている二次性血栓性微小血管障害症(二次性TMA)や志賀毒素産生性溶血性尿毒症症候群(STEC-HUS)において、soluble C5b-C9を含む因子を測定し補体異常との関連を検討した。その結果、二次性TMAやSTEC-HUS症例の一部に補体異常活性が関与していることを証明した。
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Nephrol Dial Transplant.
巻: 30 ページ: 862-864
10.1093/ndt/gfv054