研究概要 |
PFAPA症候群(periodic fever, aphtous stomatitis, pharyngitis, and adenitis syndrome)はアフタ性口内炎、咽頭/扁桃炎、頸部リンパ節炎を随伴症状とする周期性発熱発作を繰り返す自己炎症疾患であり、国内外で家族発症例の報告がみられることから、遺伝的要因の関与が示唆されているが、本疾患の原因遺伝子の同定には至っていない。本研究の目的は、PFAPA家系例について次世代シークエンサーを用いた全エクソーム解析を行い、原因遺伝子の単離・分子病態解明を行うことである。これまでに、12家系45検体を入手済みであり、全例においてエクソーム解析が終了している。エクソーム解析で得られたデータのリードカバレッジの平均は131、20×カバレッジの平均は91%であり、非常に良好なデータが得られている。本データをバイオインフォマティクスの手法を用いて塩基配列解析を行い、タンパクに影響を与える変異を予測し、疾患原因遺伝子変異の検索を行った。その結果、各家系において数万の遺伝子多型をコールされており、さらに遺伝形式や健常コントロールの配列情報をもとに絞込みをお粉たった結果、家系ごとに24~38個の候補変異が絞り込まれており、数個の候補遺伝子が同定されている。しかし、現時点では疾患原因遺伝子を決定するには至っておらず、さらなる追加検体をもちいて再現性の確認と、疾患病態と遺伝子変異との関連について詳細な機能解析を施工する必要があると考えられる。
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