心拍変動解析を用いて、神経筋疾患における予後指標を見出すことが本研究での究極の目標である。今回は、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とし、生命予後を予測する因子について検討した。死亡例で生前に施行されていた24時間ホルター心電図、15人分計77データを解析対象とした。不整脈、心拍変動の各パラメーターを解析し、生命予後との関連を検討した。心拍変動の各パラメーターはすべて、死亡日に近くなると有意に低下する傾向を認めた。不整脈の出現に関しては有意な傾向はなかった。これらの結果は心筋梗塞における生命予後予測と類似する。心拍変動解析は、神経筋疾患の生命予後を予測できることが示唆された。
|