研究課題/領域番号 |
25860879
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
浜 武継 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00508020)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ARPKD / 多発性嚢胞腎 / 線維化 / fibrocyte / CPKマウス |
研究概要 |
CPKマウス(ARPKDモデル)は、当大学の動物実験施設において既に維持されており、生後1日、7日、14日、21日、及び同令のSDマウス(対照)の腎臓および肝臓の検体採取を開始した。このうち、一部の検体は、免疫組織学的研究、及び、その他の実験系のため、ホルマリン・パラフィン包埋による保存と、-80度による凍結保存とを併用した。骨髄細胞をCD45及びcollagen type Iで多重染色を行ったところ、両方の抗原を有する細胞の存在は確認できた。次に、腎臓の凍結切片を用いて同様の多重染色を行った。しかしCPKマウス及びSDマウスで多重染色される細胞は容易には発見できず、用いる抗体の変更や染色の実験系の変更を視野に入れる必要がでてきた。また、flow cytometryによるfibrocyteの存在確認のための実験系を組み立てた。骨髄、末梢血、腎臓、それぞれの検体からsingle cell suspensionを作成し、flow cytometryを行うが、腎組織からsingle cell suspensionに作成する方法に難渋し、今後の課題である。骨髄細胞は、CPKマウスの大腿骨に緩衝液を注射針で流し出すことで採取可能であった。末梢血液は、CPKマウスの後大静脈もしくは腹部大動脈から注射針により採取するが、検体量が非常に少なく、flow cytometryの実験系に影響を及ぼしうるため、今後、さらに改良した方法を模索する必要があると思われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
検体の確保は順調であるが、flow cytometryの実験は、1検体から新鮮な腎臓・骨髄・末梢血を同時に採取し、一度にflow cytometryを行う必要があるため、腎臓から適切にsingle cell suspensionを作成する手技が必要と思われる。また、末梢血の検体量が少ないため、今後は1検体ではなく2検体を同時に用いるなどの対応策も考慮される。
|
今後の研究の推進方策 |
CPKマウスの腎臓の組織での、線維化マーカーと白血球マーカーを共有する細胞を染色で確認する。また、flow cytometryの実験系の確立が必要である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
現在、研究の初期段階であり、実験系が他の実験と類似している。そのため、実験系が確立しており、比較的順調に進んでいるため。 現時点でも、凍結組織を用いた腎臓の染色がうまく進まないこと、また、flow cytometryの実験系でsingle cell suspensionがうまく作成できないことなど、新たな実験系の確立が必要と思われる箇所がいくつか見られるようになってきた。今後、各種試薬や抗体などの購入が必要となると思われ、試薬費などの増大が望まれる。
|