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2013 年度 実施状況報告書

ライソゾーム蓄積病の骨髄移植における必要最低骨髄細胞生着率の検討

研究課題

研究課題/領域番号 25860884
研究種目

若手研究(B)

研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

横井 健太郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (20459655)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードMPS II / 骨髄移植 / キメリズム
研究概要

MPSII型(Hunter病)ではイズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)活性の欠損に伴い、蓄積物質(GAGs)による臓器障害を発症するライソゾーム蓄積病(LSD)の1つである。骨髄移植は現在第2の治療方法であるが、酵素補充療法による身体的・経済定期負担は看過できない問題であり、患者さんの負担を軽減したうえで効果的な混合キメラ状態を作り出すことは臨床上、大変有意義である。そこでモデルマウスを用いて、どの程度の混合キメラ状態が100%のドナー細胞タイプと同等の効果を示すか、生化学的パラメーターを指標に解明し、ライソゾーム病の骨髄移植(BMT)における必要最低骨髄細胞生着率の指標を検討した。
生着率は移植片の割合と近似しており、全白血球および各系統別に検討した結果も同様の傾向を示した。これらの結果は、これまでの他のLSDモデルマウスのBMTに関する報告と同様であった。IDS活性に関して脾臓や肝臓では、低い混合キメラでも有意に上昇していたが、腎臓や脳では100%のドナータイプにも拘らず効果は認めなかった。GAGsに関してもIDS活性の結果と同様の傾向を示した。心臓に関しては75%以上のキメラ状態でBMTによる治療効果を有意に認めた。
今回の結果から、MPS IIにおけるBMTは臓器特異的であり、さらに生着率に関するキメリズムは移植片の正常細胞の割合に依存的であることが示された。よってMPS IIにおけるBMTでは、より高いキメリズムがより高い治療効果を得るのに必要であること、さらにキメリズムの低下を招くような事態ではドナーリンパ球輸注(DLI)などによる生着の再構成を視野に入れるべきであると結論付けた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

MPS IIにおけるBMTの生着に関して、生化学的パラメーターを用いて評価を行い上述の通りいくつかの知見が得られたため、小児科学会学術集会にて口演を行った。

今後の研究の推進方策

今後はさらにいくつかのパラメーターを利用してBMTにおけるキメリズムの影響に関してより詳細な検討を研究計画書に則って執り行っていく。さらにこれらの実験で得られた情報は学会を通じて発表を積極的に行い、論文化していく。

次年度の研究費の使用計画

これまで生化学的パラメーターを用いてMPS IIモデルマウスのBMTにおけるキメリズムに関して検討しある一定の知見が得られたが、今後他のパラメーターを用いた評価を含め必要な追加実験をまだ行えていないので。
研究計画書に則り、実験計画を施行しより詳細にMPS IIモデルマウスのBMTにおけるキメリズムに関して実験を推進していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] MPSII型の骨髄移植における必要最低骨髄細胞生着率の検討2014

    • 著者名/発表者名
      横井健太郎
    • 学会等名
      第117回日本小児科学会学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20140411-20140413

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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