研究課題
2013年度で、患者検体とコントロール検体を集めることができ、それらのFGF-21値をすべて測定することができた。2014年度は、Disease controlとして、心不全、筋ジストロフィーの患者検体を集め、FGF-21を測定した。2年間で得られたデータより、統計解析を行った。FGF-21は従来のミトコンドリア病のバイオマーカーと比べ、比較的高い感度・特異度を示した。ROC解析では、FGF-21は0.919(95%CI:0.865-0.973)、乳酸は0.882(95%CI:0.814-0.950)、ピルビン酸は0.706(95%CI:0614-0.798)、L/P比は0.919(95%CI:0.865-0.973)であった。L/P比とFGF-21は同等の感度・特異度となった。そこで、新たにGDF-15という新たなバイオマーカーを計測することとした。ミトコンドリア病の重症度スコアとして、JMDRS、NMDASを使用した。FGF-21は重症度と相関することが示唆された(JMDRS:r=0.69(p<0.001)、NMDAS:r=0.59(p<0.001))。
2: おおむね順調に進展している
予定通り、患者、コントロール、Disease controlの検体を集め、FGF21を測定できている。さらに、統計解析まで行い、FGF21のバイオマーカーとしての優位性が示された。新たに、GDF15という新しいバイオマーカー候補も見つかった。
FGF21が有意に従来のバイオマーカーよりも、ミトコンドリア病に対して感度・特異度が高い傾向にあることを示すデータが得られている。さらに、新しいバイオマーカーも見つかり、それらを合わせて解析していけるようにする。すべてのデータ解析から、論文作成を行う方針である。また、各種学会で発表し、貴重な意見やコメントを頂く予定である。
概ね予定通りの支出である。物品の購入が予想よりも下回ったため、わずかな余剰が生じたと考える。
次年度は、新たなバイオマーカーの計測を行うため、余剰金は使用できるものと考える。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (18件)
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