研究実績の概要 |
乳幼児期の体重増加に影響する周産期・遺伝的因子の解明を目指した研究の本年度は2年目となり、下記のように検討症例数の蓄積及び小児肥満の病態に関与する因子の解明、小児肥満についての啓発を進めた。 (1)LDL受容体の分解を介して脂質代謝を調節する蛋白であるPCSK9(Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9)の新生児期における働きについて検討を行った。新生児81例での検討ではPCSK9は新生児期において在胎週数や出生体重に影響されずに血中のLDL-Cを規定する重要な因子であることを報告した(Araki S et ai.Early Human Development,2014 )。(2)小児肥満30例において4種類のケモカイン(CCL2,CCL5, CXCL9,CXCL10)を測定し、血中のケモカインレベルが内蔵脂肪との関連性が強いことを明らかにし、国際学会でも発表を行った。(3)肥満児に対する指導のツールとして昨年作成した冊子に続き、DVDを作成した。(4)極低出生体重児のBMIの経過及び小児肥満の感受性SNPs解析について症例数を増やして検討を行った。
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