ビタミンA(レチノイン酸)は脂溶性ビタミンであり、哺乳動物にとって成長・免疫・文化と多岐にわたる役割を果たす重要な物質である。胎生初期に母体がレチノイン酸に過剰に暴露された場合、小耳症・心奇形など様々なスペクトラム催奇形を示す事が報告されている。 本研究ではまず妊娠マウスへビタミンAを過剰投与し耳介形態形成を観察した。外耳道は生後10日頃に開通するが、過剰投与群は生後48時間以内に死亡した為、観察が不可能であった。そこで生命維持に関する心機能評価の為、胎仔心電位を計測した所、心電波形に異常があった。また心臓の発現遺伝子解析では、心機能に関する遺伝子発現に差異が見られた。
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