研究実績の概要 |
1当院周産母子センターにて出生した新生児にたいして、外陰部の計測を行った。正常分娩および帝王切開で出生し、性の分化異常も含めて合併症がない症例に限って行った。平成25年から計測を開始し、継続した結果、現時点までで約250症例のデータを集めることができた。 2母体尿、母体血液、臍帯血、臍帯、児の尿をサンプリングするために、予定帝王切開症例に対してリクルートを行った。出産のために入院をしてきた母(および父)に対して、研究概要を説明し、同意を得た。サンプル数は50例である。 3臍帯血を用いて、新生児期におけるステロイド(frontdoor pathway とbackdoor pathway) の一斉分析を行った。もっとも精度のよいLC/MSMS法を測定法として選択した。通常のアンドロゲン産生経路をfrontdoor pathway(testosteroneから強力な男性ホルモンであるdihydrotestosteroneを産生する)と呼ぶが、胎児期やある一定の病的な状態では17-OHPから5α-17-hydroxypregnanolone, androsterone を経て、testosteroneを介さずにdihydrotestosteroneを産生する経路であるbackdoor pathway が性分化研究において重要である。これまで、臍帯血におけるfrontdoor pathway ・backdoor pathwayの一斉分析のデータはなく、今回のデータは極めて重要である。 4環境化学物質に関する一斉分析を依頼中である。 5エストロゲン受容体遺伝子、ダイオキシン需要t外遺伝子のハプロタイプ、エストロゲン遺伝子の微小欠失につき解析中である。
|