研究課題/領域番号 |
25860906
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 美春 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (60570083)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 子宮内胎児発育遅延 |
研究実績の概要 |
25年度は、虚血・再灌流モデルを用いたFGRラットモデルの確立を行ったが、26年度は、確立されたモデルを用い行動実験を行った。 行動実験は、rotarod、shuttle avoidance、open fieldを行った。 Rotarodでは、1日目、FGR群が平均55.8秒に対しコントロール群が52.0秒(p=0.81 )、2日目は55.5秒に対し74.4秒(p=0.13)、3日目は75.5秒に対し65.3秒(p=0.53)、4日目は91.0秒に対し85.5秒(p=0.87)であり、有意差は認められないもののrotarodに一番慣れると考えられる最終日の4日目についてはFGRの平均値がコントロールを上回る結果となり、不安定な状況下での耐久性やバランスにコントロール群に比べFGR群が不利である可能性が示唆された。 Shuttle avoidanceでは、実験1日目、FGR群における回避率の平均値47.0%に対しコントール群では45.0%(p=0.92)、2日目では59.0%に対し62.5%(p=0.28)、3日目では78.0%に対し62.5%(p=0.21)、4日目では74.0%に対し42.5%(p=0.64)、1週間間隔をあけた10日目では72.0%に対し65.0%(p=0.65)であり、いずれも有意差は認められず、危険回避とその長期記憶については特に有意差を認めなかった。 Open fieldでは、一定時間内での動いた回数の平均値はFGR群で14.4回、コントロール群は7.5回(p=0.08)、動いた時間については70.6秒と31.1秒(p=0.018)、中心部で動いた距離については0.28mと0.25m (p=0.02)であった。以上からFGR群の方がコントロール群に比べより多動であり、また照度が高い中心部での活動が多く危険察知能力について劣る可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
モデルの確立、行動実験等順調に出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
FGRの脳組織を詳細に評価し、胎児脳のどの領域がどのような形で損傷されるかを解明する。 さらなる行動実験を行い、FGRの行動障害をより明らかにする。 また、治療法の候補となっているものを試し、効果、安全性を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
行動実験を優先したため、FGRの組織評価が遅れ、当初予定していた抗体等の購入を昨年度行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
抗体等、免疫組織染色に使用する試薬などに充てる。
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