本研究は発達期の概日リズムの攪乱が成長後の代謝に与える影響を明らかにするために、母仔分離法により発達期概日リズム攪乱ラットを作製し、対照群との比較検討を行った。明暗周期下において、攪乱群は対照群と比較して、各週齢の摂餌量と体重、8週齢の血清レプチン濃度、9週齢の脂肪蓄積量、14週齢の高脂肪食の摂餌量、21週齡の糖負荷試験の血糖上昇曲線下面積の増加が認められた。一方で恒常明条件下では、両群間の摂餌量と体重に差が認められなかった。以上より、母仔分離による概日リズムの攪乱は、単独では大きな影響を及ぼさないが、明暗周期との関係により成長後のホルモン分泌や摂餌行動への影響として残り得ると考えられた。
|